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オススメの一冊
No.040
ドイツ
2005.08.15 up
朗読者
ベルンハルト・シュリンク
概要
15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。 「なにか朗読してよ、坊や!」---ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。 人知れず逢瀬を重ねる二人。 だが、ハンナは突然失踪してしまう。 彼女の隠していた秘密とは何か。 二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。 現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。
感想
「理解に苦しむものを理解できると思ってはいけないし、比較にならないものを比較してはいけない・・・。 ぼくたちは、嫌悪と恥辱と罪の意識を抱えたまま、ただ黙っているべきなのだろうか? 何のために?」
世界がかつて知り得たなかで最悪といえる残虐行為、ナチス戦犯。 それに加担していた者が、親や祖父母・あるいは恋人であった場合、自分はいったいどういう行動をとるべきなのだろう・・・? 深く、考えさせられました。
ドイツの戦前と戦後の世代、有罪と無罪、言葉と沈黙の間に横たわる溝を浮き彫りにした、厳粛なまでに美しいドイツ文学をご堪能ください!
新潮文庫
ISBN 4102007113
定価¥514
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No.039
日本
2005.08.15 up
冬の梅
芝木好子
概要
夫の恋人と称する若いモデルに対して、冷静にふるまい夫婦の愛情の危機を乗り越える年上の妻の心情『冬の梅』 。 戦争のさなか、隣家の若い人妻との秘められた青年時代の思いを回想する『十九歳』 。 やがてこの人生を去っていく老夫婦にとって、最後の秋のヨーロッパ旅行を私小説に仕上げた 『ルーアンの木蔭』 『ヒースの丘』 など、人生の機微を淡々と綴った5編を収める短編遺作集。
感想
読んでいるうちに不思議と主人公の心の流れに引き込まれ、どうなることかと一気に読み進んでしまいました。 読中はとてもどきどきハラハラしどうしだったのが、読後にふと安心させてくれる、女性ならではの優しさ溢れる作品集です。 確かな文体も心強い! う〜ん、秀作! (*^-^*)
新潮文庫
ISBN 4101140057
定価¥360
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No.038
日本
2005.05.31 up
五年の梅
乙川優三郎
概要
友を助けるため、主君へ諫言をした近習の村上助之丞。 蟄居を命ぜられ、ただ時の過ぎる日々を生きていたが、ある日、友の妹で妻にとも思っていた弥生が、頼れる者もない不幸な境遇にあると耳にし---『五年の梅』 。 表題作の他、病の夫を抱えた小間物屋の内儀、結婚を二度もしくじった末に小禄の下士に嫁いだ女など、人生に追われる市井の人々の転機を鮮やかに描く。 生きる力が湧く全五編。
感想
この短編集のテーマは 『再生』。 人生のピークともいうべき大事件を迎えた人物の、その後を描いた作品集。 その描き方が、また独特で美しい。
ここに描かれている主人公たちは、決して特別な人間ではありません。 私たちのような、一般人なんです。 そう、人間は心持ち次第でどうにでもなるんです。 いくつになっても生まれ変われるものなのです。
新潮文庫
ISBN 4101192219
定価¥476
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No.037
日本
2005.05.31 up
夏の庭
湯本香樹実
概要
町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは 『観察』 し始めた。 生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。 夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだった---。 いつしか少年たちの『観察』 は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが・・・。 喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。
感想
登場人物がどこにでもいるような人たちなだけに、何かと身につまされる想いがしました。
この現代、大人にとっても子供にとっても、何かと生き難い世の中です。 子供は大人の事情に翻弄されることが多々ありますが、そんな大人社会を変えられるのは、これから大人になる子供達・・・。 いろんな意味で、いろいろと考えさせられた作品でした。
新潮文庫
ISBN 4101315116
定価¥400
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No.036
日本
2005.05.31 up
老妓抄
岡本かの子
概要
財を築き、今なお生命力に溢れる老妓は、出入りの電気器具屋の青年に目をかけ、生活を保障し、好きな発明を続けさせようとする。 童女のようなあどけなさと老女の妄執を描き、屈指の名短編と称される表題作。 不遇の彫金師の果たそうとして果たすことができなかった夢への無念の叫び『家霊』 。 女性の性の歎き、没落する旧家の悲哀、生の呻きを追求した著者の円熟期作品9編を収める。
感想
何かに取り憑かれた者達の生きることへの渇望が、直に心に訴えかけてくる作品集。 現代人の消極的な生を省みさせられるような気がしました (;´▽`A``
表題作 『老妓抄』 は、没落してゆく老妓の悲哀を 『年々に わが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり』で締めくくっているのが面白い。 日本語の使い方がとても美しく、情緒溢れる作品ばかりです。
いやぁ〜、日本文学ってやっぱりイイなぁ (*´ー`)
新潮文庫
ISBN 4101040028
定価¥438
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No.035
アメリカ
2005.04.15 up
ミュータント・メッセージ
マルロ・モーガン
概要
一人の白人女性が、ふとしたことから、アボリジニ部族とともに砂漠を歩く旅に出た。 言葉を介さず通い合う心、手を触れるだけで癒される体―灼熱の大地で体験する目をみはるような出来事の数々。 その中で、ひとつずつ気づかされていく本来の地球と人類の姿。 そして120日間の旅の末に彼女が到達したものとは・・・。 物質文明にまみれた我々ミュータントへの強烈なメッセージがこめられた、衝撃的な作品。
感想
自分たちを(真実の人)と称するアボリジニ部族の生き方を、著者の体験を基にフィクションとして描いた作品。
五感の全てを駆使し、生き生きと活動している彼らは、嘘もつかなければ競争もしない。 物質文明に生きる我々ミュータントを非難するわけではなく、自分たちの生き方を誇示するわけでもない。 そんな彼らの生き様が、強烈な説得力を持って迫ってきます。 私たち人類に本当に必要なものとは・・・? そんな問いを投げかけてくれた、本当に素晴らしい作品です!
角川文庫
ISBN 4042797016
定価¥533
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No.034
日本
2005.04.10 up
ICO 〜霧の城〜
宮部みゆき
概要
霧の城が呼んでいる。時は満ちた、生贄を捧げよと。 何十年かに1人生まれる、小さな角の生えた子。 頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。 13歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。 それこそが「生贄(ニエ)の刻(とき)」。 なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。
構想三年。 同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント!
感想
当然、ゲームをプレイしてから読みました。 この作品、ゲーム内のセリフを活字に直しただけの中途半端なノベライズではなく、小説としてもかなりのボリュームがありますね。 ゲーム内では 『絶対的な悪』 として描かれていた霧の女王、小説では救いが用意されておりました (;´▽`A`` この作家は物事の裏側を見ようとする勇気を持っている方だナァ、と心から感心させられた作品です。
講談社
ISBN 4062124416
定価¥1800
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No.033
日本
2005.03.31 up
風立ちぬ
堀辰雄
概要
病に冒された婚約者の節子につき添い、”私たち” は高原のサナトリウムで、風変わりな愛の生活を始めた。 小鳥がさえずり、山はバラ色に輝き、死のかげにおびえながらも、二人は残された時に幸福のすべてを見いだそうとする・・・。 著者の体験に基づいて描かれた代表作 『風立ちぬ』 ほか三編を収める。
感想
文中で引用されるポール・ヴァレリーの一句 『風立ちぬ、いざ生きめやも』。 これは、些細な自然の事物に感動し、それらに生きる勇気を与えられた、という意味だと思う。 それほどまでにギリギリのところで生きながら、なおまた生きようとするその力強さ・・・。
この作品は、『死』 をモチーフに描きながらも 『生』 を浮き彫りにしています。 愛する者たちが次々と去り、後に残された者たちは、どう死を納得して生に繋げてゆけるのか・・・。 そんな問いを投げかけてくれた作品集です。
集英社文庫
ISBN 4087520153
定価¥343
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No.032
日本
2005.03.29 up
おはん
宇野千代
概要
「人にもの問われても、ろくに返答もでけんような穏当な女」 である主人公 ”おはん” は、夫の心がほかの女 ”おかよ” に移ったとき、子供を身ごもったまま自分から実家に退いた。 おはんとおかよ、二人の女に魅かれる優柔不断な浅ましくも哀しい男の懺悔 --- 頽廃的な恋愛心理を柔軟な感覚と特異な語り口で描き尽し、昭和文学の古典的名作とうたわれた著者の代表作。
感想
この著者は、さして長大でもないこのたった一編の作品に、約10年もの時間をかけたという。 そして驚くべきことに、この作品には10年前と10年後の記述にムラがない。 それだけでも、この著者の作品に対する愛情や執着心を十分に窺うことが出来るかと思います。
二人の女に魅かれる男の情痴の浅ましさを極度に抽象し、ほとんど観念的な美にまで昇華して描かれたこの作品・・・谷崎文学と通づるものを感じるのは私だけでしょうか・・・?
新潮文庫
ISBN 4101027021
定価¥324
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No.031
日本
2005.03.15 up
夜消える
藤沢周平
概要
酒びたりの父親が嫁入りの邪魔になると娘に泣きつかれた母親、岡場所に身を沈めた幼馴染と再会した商家の主人、 五年ぶりにめぐりあった別れた夫婦、夜逃げした家族に置き去りにされた寝たきりの老婆・・・・・・ 市井に生きる男女の哀歓と人情の機微を鏤骨の文章で綴る珠玉の名品七篇による短編集。
感想
どの作品も凄く良いのですが、『踊る腕』 は特に好きですね。 子供の視点から見た貧しい一家の夜逃げ騒動・・・決して幸福な物語ではないのですが、何だかウキウキするような読了感を感じることが出来る暖かな作品です。
江戸の裏店を舞台にして庶民の哀愁を一貫して描いた作品集なのだけれども、その物語の多彩さにとても驚かされる逸品です! あー、久しぶりにいい本を読んだなぁ (^ー^* )
文春文庫
ISBN 4167192292
定価¥438
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夏の庭 (湯本香樹実)
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ICO 〜霧の城〜 (宮部みゆき)
風立ちぬ (堀辰雄)
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